【新ポスター作成記念第三弾】地層カプセルのつくりかた

こんにちは。
副代表の中里です。
理科実験ポスターシリーズ、第三弾です。
今回は、このポスターについて話していこうと思います。
1.そもそも地層って?
みなさん、地層を見たことはありますか?
私はあります。それも街中で。たまーーーーーーに見かけます。

東急電鉄溝の口駅/JR武蔵溝ノ口駅前に突如出現した「露頭」(2025/1/11撮影)

この「露頭」の形成は、マンション建設のためだろうか(2025/1/11撮影)
きれいに縞模様になっています。
この縞模様が、地層を語る上で欠かせないものとなるのです。
2.なぜ縞模様ができるの?(1)
この縞模様ができる要因には、いくつかの要素があります。
主に関わってくるのが、流れる水のはたらきによって、上流の土砂が侵食され、粒子が細かくなりながら運搬され、最後に堆積するというプロセスです。
大雨の時に川の流れが濁るのも、これが大きく関わっています。
今回はこのプロセス、特に最後の堆積過程を可視化することを目指して、本団体顧問の関教授に協力を仰ぎ、実験を行いました。(本実験の基幹部分は関研究室により開発されたものです。ご協力いただきありがとうございます。)
3.実験の試しかた
実験に使用する材料
今回は、実際の土を使って実験をします。今回の土は少し特殊な配合をしています。本物の土を使って、本物の地層カプセルを作りましょう。
- 画像右側の、堆積過程をみるための沈降管に、漏斗と小瓶をつなぎます。
- 繋いだセットを水で満たして立て、スタンドで倒れないようにセットします。
- 試料に少量の水を加えてよく混ぜ、湿らせます。
- 湿らせた土を漏斗の中の水に一気に入れ、落とします。
- 小瓶の中を見ながら、いっぱいになるまで手順4を繰り返します。ただ、一回落としてから次に落とすまでは、2,3分待つと良いでしょう。
- 小瓶が土でいっぱいになったら、ゆっくりと沈降管からはずします。急いで外すと水が溢れるので気をつけましょう。
- このままだと土が水分をふくみ、ゆるい状態なので、トントントン…と机で瓶に軽い衝撃を与えながら圧密していきます。30回ほど叩いたらできた隙間に土を埋め、これを繰り返します。
- 隙間ができなくなったら完成です。
なお、手順4で色砂を使ったりすると、ポスターのようにきれいな小瓶ができます。
4.なぜ縞模様ができるの?(2)
ここで皆さんに改めて質問です。積もって地層ができるのはわかりますが、なぜそれで縞模様ができるのでしょう。
できた地層をよーーーーーーく見てみると答えがわかります。
一つの層の、上側と下側の粒の大きさに注目です。

見えてきましたか…?
あらい粒、細かい粒、あらい粒、細かい粒、の繰り返しになっていませんか?
土を落とした時の「落ち方」を思い出してみてください。
最初に大きくてあらい粒が落ち、それから水のにごりがだんだん晴れるように、細かい粒が落ちていきましたね。
粒の大きさに応じて、水の中を落ちる速さが変わるのです。土を落とす間隔を2,3分空けたのも、そのためです。
いい感じのオブジェとして、ときおり地面の下に思いを馳せながら、世界で一つだけの本物の地層カプセルを作ってみてはいかがでしょうか。
それではまた。


